モラロジー青年活動ネットワーク

<報告>モラロジー専攻塾 テーマ研修発表会

11月10日(木)柏生涯学習センターにおいて、モラロジー専攻塾第21期生のテーマ実践研修報告会が開催されました。
7名の塾生が、それぞれのテーマに基づいて30日間の海外研修を報告しました。
今回は、カンボジア・タイ・ブータンを訪れた大澤依理乃さんの報告を紹介します。


国を思う心は家族を思う心〜アジアの立憲君主国に見られる国のあり方〜

今年七月には硫黄島で、大東亜戦争で亡くなられた方の遺骨収集事業に参加し、今日の日本があるのも命がけで戦った先人が居られたからであるということを実感し、国が存在するということの意味の大きさをより一層深く考えるようになりました。その後、今回のテーマ実践研修として一ヶ月間の海外研修に行かせていただきました。
  私はアジアの立憲君主国の中でも国民と国王の絆の深い国と言われているブータン王国、タイ王国、そして比較的新しい立憲君主国であるカンボジア王国を訪れ、国民と国王の関係、政治と宗教と教育の関わりを見聞してきました。
 

カンボジア王国で私は、「家族を愛することと国を愛することは切り離せない」ということを改めて考えさせられました。ポル・ポト政権では、家族を愛することを否定し、国を愛することを徹底したといいます。しかし、家族を愛せなければ、国を本当の意味で大切に愛することは出来ないと思います。それに対して、今日の日本は、家族は愛するが、国を愛することを極度に避け、国を大事にすることの大切さを見失っているように思われます。本来、国を愛することは家族を愛する気持ちの深まりとも言え、自分たちを庇護する国を愛することが出来るからこそ、安心してその国で暮らす家族を愛せると思います。「家族を愛することと国を愛することは切り離せない」という思いが実感と共に深まりました。
 

タイ王国では、王室の権威の力強さを見せつけられました。至る所に国王、王妃の肖像が飾られており、あちこちの民家の軒先で、国旗や王室旗が掲げられているのを多く目にしました。尊敬を集めている国王は、絶大な権力があるがゆえに「一言一句」に重みがあり、単純に君臨するのみならず、大きな影響力を備えていることがわかりました。王室の権威は在位者の人徳や能力に強く依存しやすい面が大きいのではないかと思う反面、権威ある国王が在位している場合、その存在は国の安定の一助を果たしていると思いました。


 

ブータン王国の国民総幸福度:GNH(Gross National Happiness)の高さは、家族愛の力によるものともいえるのではないかと感じました。国民を大事にしてくれる国王の愛と、尊敬されている国王への敬愛と忠義の念によって、国王と国民が家族のように、お互いが深い信頼で強く結びついていることが、国の安定と幸福にとても大きな影響を与えていると感じました。
 また、ブータンを訪れた私は、素直になる勇気と覚悟をいただきました。世界では科学的・経済的価値観が常識とされる中で、人間の心の価値に重きを置くことを自然に行っている人が実際にいるということを目の当たりにした私は、自分もその「心の価値」を重んじた生き方を目指し、志を持って、そこに限りなく近づける努力をし続けて生きていきたいと、心の底から思えるようになった。
 

今回の研修を通して、「国が大きな家である」実感がとても深まりました。『道徳科学の論文』に「家族団の発展して究極に達せるものがいわゆる国家である」とあるように、国家は大きな一つの家族であるという感覚が深まっただけでなく、それは日本だけのものではないという気づきもいただきました。国家の根幹には必ず家族があり、家族の絆の深さこそが国の強さのようにも思いました。家族を想う心と国を想う心が今まで繋がっていませんでしたが、本当は同じことを意味すると分かりました。祖国・日本を想えば想うほど、身近な家族を大事にしていくことの重要性に改めて気づかされました。

<レポート:モラロジー専攻塾21期生 大澤依理乃>